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教育のお金のかけどころ、本当はどこにある?「学力の経済学」スペシャルトークショーreport!

VERY本誌の対談企画でも大きな反響を呼んだ『学力の経済学』。私たちが一番知りたい教育に関する通説の真偽を科学的根拠に基づいて解説する本書の著者 中室牧子さんがVERY読者のために特別講演!読んだらきっと腑に落ちる、明快な講演内容をダイジェストでお届けします!

「学力の経済学」スペシャルトークショーreport!
「学力」の経済学

「学力」の経済学

2015年6月発売/本体価格1600円/ディスカヴァー・トゥエンティワン刊ビジネス書大賞2016準大賞授賞、27万部突破のベストセラー。
「ゲームが子どもに与える影響」から「少人数学級の効果」まで、今まで「思い込み」で語られてきた教育の効果を、科学的根拠から解き明かした画期的な一冊。

中室牧子さん(なかむろ まきこ)
1998年慶應義塾大学卒業。米ニューヨーク市のコロンビア大学で博士号を取得(Ph.D)。
日本銀行や世界銀行での実務経験を経て2013年から慶應義塾大学総合政策学部准教授に就任し、現在に至る。専門は教育を経済学的な手法で分析する「教育経済学」。

誰もが1度は思う、教育にまつわる素朴な疑問がスッキリ! 中室牧子さん講演会

新鮮な発見ばかりの講演の中でも、特に会場が湧いたトピックをご紹介。
乳幼児ママの教育方法への疑問や働くママの漠然とした不安も解消してくれました!

01幼児教育って本当に効果アリ?

「答えはアリです。はじめに、経済学者は、教育を「投資」として考えます。
つまり、教育にお金を使うことの経済的な損得を考えるわけです。
こうお話すると、「お金のために子育てしているわけじゃない!」という反発がありそうですが、子供の将来の収入は、自立した人生を送るうえで重要な要素の一つですので、“どういった教育が我が子にとって良い教育なのか”を考える際に、収益率という考え方をもっておくことに損はないのではないでしょうか。
さて、冒頭の話。教育経済学においては、“幼児教育は大変重要だ”という見方が主流になっています。実は、教育における収益率は、成長とともに下がります。
一般的には小学校より中学校、高校より大学と学齢が上がるほどコストをかけるべきと考えられがちですが、実際はまったくその逆で、より収益率が高いのは、就学前から小学校低学年です
なぜかというと、たとえば算数で言えば九九ができないと因数分解ができない、因数分解ができないと微分積分ができないというように、ある技能を修得すると、さらに次の技能の習得に繋がる可能性があるからなのです。
人生の初期にこの技能を身につけることが出来れば、次の段階でもっと多くの技能を身につけることができます。これが、ノーベル経済学賞を受賞した、シカゴ大学のヘックマン教授らの研究で示されたことです。
つまり、人的資本への投資は、なるべく子どもの学齢が小さいうちに行うのが効果的なのです」

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02将来の成功のカギは、学力に非ず!?

「前述のヘックマン教授らの研究の中でも有名なものの一つに『ペリー幼稚園プログラム』があります。 1960年代初頭、アメリカのミシガン州の「ペリー幼稚園」で質の高い幼児教育を受けた子供たちがその後経済的、社会的にどのような成果をおさめたかということを大人になるまで数十年にわたり、追跡し続けました。
ちなみにこの教育を受けられたのは、対象となる家庭のうち抽選でランダムに選んだ世帯のみ。受けた世帯と受けられなかった世帯との比較を行う、「ランダム化比較試験」という方法をとっています。抽選で選ばれた家庭の子どもは、3歳から4歳の2年間、修士号以上の学位を持つ先生に、毎日午前中に2.5時間の読み書きや歌のレッスンを受けるなどの非常に手厚い指導を受けました。一体この就学前教育はどのような効果を上げたのでしょうか。
驚くべきことに、たった2年間教育を受けただけで、高校の卒業率、27歳時の持ち家率、40歳時の貯蓄などがいずれも(抽選で選ばれずにこの幼稚園に通うことが出来なかった子供に比べて)高い傾向がみられたのです
ここで重要なのは、このプログラムで培われた学力、すなわち子供たちのIQというものは、8歳になる頃には「教育を受けた子も受けなかった子も、ほぼ一緒に戻っていたということ。
つまり、学力が将来の成功につながるわけではなかったのです。ペリー幼稚園プログラムが子供たちに獲得させたもの、それは『非認知能力』でした。
非認知能力とは、IQや学力で計れない、自分に対する自信ややる気、意欲的、粘り強い、信念が強いといった能力のことを指します
。今話題の「グリット(やり抜く力)」もそのひとつです。教育経済学の研究では、近年この非認知能力が将来の成功に非常に大きく関係していると言われています。」

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03働く母を持つ子供は、
学力形成において不利?

「今回、会場にいらっしゃる皆さんからも大変質問の多かった、『ワーキングマザーだから、子供の学習に対して十分時間をとってあげられない』というお悩み。
実は、研究では、必ずしも子供の横について勉強をみたり教えたりするのは両親である必要はない、という結果が出ています。
祖父母や親戚、兄姉のなど、母親以外の同居者だったとしても、効果はあまり変わらないのです。
また、この研究では子供と同性の親の果たす役割が重要であることも明らかになりました。つまり、子供が男の子なら父親が、女の子なら母親が関わるとより効果的なんですね。男の子のお母さんは、是非このエビデンスをもとに、ご主人へ育児に参加するよう働きかけましょう(笑)。
ワーキングマザーをもつ女の子は、母親と同じく将来仕事をもつことが多いという結果も出ていますので、そういった意味でも、働く母親の姿をみせておくのは有意義なことと言えるのではないでしょうか。共働き家庭に限らず、すべてを親が抱え込む必要はありません。学校や塾、家庭教師の先生なども含めて、周囲の方の力を借りてもいいのではないかと、私は思っています
ちなみに、父母ともに“勉強しなさい”と言うことには、あまり効果はありません。むしろ母親が娘に勉強するように言うことは時に逆効果になることも。
関わる際には、横で勉強を見ている、または勉強する時間を決めて、それを守らせているなど、親が片手間ではなく、きちんと自分の時間を費やした丁寧な関わり方のほうが、効果が高いことがわかってきました

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ウェブさんの独自の教育観に興味深々 中室牧子さん×クリス-ウェブ 佳子さん座談会(長女ニノンちゃんも参加)

第二部は、二児の母であり中室さんの著書も既に読んでいるという
ウェブさんと娘のニノンちゃんをゲストに迎え、座談会を開催。
座談会の中で、中室さんも興味津々だった、
ウェブさん独自の子育てルールや教育観3つをご紹介します。

「学力の経済学」スペシャルトークショーreport! 「学力の経済学」スペシャルトークショーreport!
TOPIC1

娘たちには小学校高学年になるまで
TVは見せませんでした

「我が家はずっと、娘たちが赤ちゃんの頃からTVを見せたことがありませんでした。
特に彼女たちに必要な情報がTVの中にあるとは思えなかったし、もっと他に体験して欲しいことがたくさんあったから。ただ、小学校に入学した頃は、クラスで「昨日のあの番組見た?」なんて会話に一切ついていけないだろうし、大丈夫かなと思うこともあったんです。
ところが娘に聞いた話によると、我が家にTVがないことへのクラスメートから返ってきた答えは「カッコイイ!!」だったそう。「じゃあ、おうちで何してるの?」「本を読んだり、刺繍をしたり、絵の具と筆を使って絵を描いたりしているの」そんなやりとりが交わされたそうで、その後、我が家に遊びにきた娘の友人たちも、いつも楽しそうに絵を描いたりしていました。
娘たちが高学年となった今は、一緒にTVを見ることもありますが、TVに子守りをさせるのではなく、感想を話しあったりしながら、親子でコミュニケーションを取りながら楽しむものとして取り入れています

TOPIC2

One parents,One language
夫婦でそれぞれの母国語を使っています

「私は日本語を、主人はイギリス人なので英語を、家庭の中ではそれぞれの母国語を話しています。両親が一貫して、それぞれ一つの言語を話すという“One parents, one language”というアプローチです。娘たちは私と会話する時は日本語を話しますし、主人と会話する時は英語。自宅では、英語が用いられた映画や音楽は、そのまま英語で観て聴いています。
娘たちは公立小学校に通っているので、学校生活でのこともあり、比較的日本語を大切にしているようですが、それでも、難解な英文もすらすらと読めますし、私よりずっと流暢に英語を話しています。
ちなみに、小学校での英語授業が物足りないのではないかと中室先生にもご質問いただいたのですが、娘曰く“確かに授業をもの足りないと思うこともあるけれど、英語についてはよく友達に質問される。誰かに説明しようと思うと、自分だけでは気づかなかった発見があったりして楽しい”のだそう。娘自身でそう捉えてくれるようになっていたのは嬉しいことですね」

TOPIC3

ちょっと贅沢だけれど
本のお買い物に上限は設けません

「私も本の虫ですごく読書が好きだったので、娘たちにも本をたくさん読んで欲しくて。小さな頃から、娘たちを連れては図書館によく通っていました。また、少し贅沢なことではありますが、我が家では、本だけは欲しいぶんだけ買って良いということになっています
そのせいもあってか、長女は本当に読書が好きなようです。実は昨日も、私が中室先生の講演に参加させていただくことを知った娘が中室先生の本を読んでみたいと言い出し、一晩で読み終えてしまったほど。“ママの意見と一致していそうなところはイエロー、反対しそうなところはピンクを貼っておいたよ”なんて付箋まで貼っておいてくれました(笑)。
長女はこんな調子ですが、次女はというと、実は本が大の苦手。次女は漫画が大好きなんです。漫画も素晴らしい作品にふれる機会がたくさんあるので、私は賛成派ですが、こうも姉妹で違うものなんだなぁと興味深いです。子育てに正解はなく、家庭それぞれに子育てのレシピがある、私はそう思っています

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  • 「学力の経済学」スペシャルトークショーreport! ママのためとニノンちゃんがつけた付箋がいっぱい
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講演終了後のサイン会では長蛇の列が!

講演後の熱を帯びた会場は、中室さんへの質問の嵐。
本を胸に、たくさんの読者が列を作っていました!

さすがイケダン!パパも講演会に熱心に参加

平田絵里香さん(31歳 さいたま市在住)怜香ちゃん(3歳)充くん(1歳)遼さん(32歳)

平田絵里香さん(31歳 さいたま市在住)
怜香ちゃん(3歳) 充くん(1歳)
遼さん(32歳)

大学の講堂で聴講できるなんて久々でとても新鮮でした。しかも家族で参加できるなんて貴重な機会!夫婦揃って、子供たちの教育についてじっくりと話し合うことはなかなかないので、今日はとても良いきっかけになりそうです。

阿知波紗弓さん(35歳 大田区在住)忠道くん(4歳)毅さん(37歳)畑田典子さん(32歳 世田谷区在住)宏くん(2歳)

左から
畑田典子さん(32歳 世田谷区在住)
宏くん(2歳)

阿知波紗弓さん(35歳 大田区在住)
忠道くん(4歳)毅さん(37歳)

エビデンスを切り口にした教育本は珍しいからと、主人から勧められて読んだんです。今日も私以上に主人が前のめりになって聴講していました!(阿知波さん)質問をメモにまとめて持参。直接お答えいただけて感動でした(畑田さん)

【このイベントに関するお問合せ】
光文社ブランド事業部
TEL 03-5395-8143(土日祝日を除く平日 10:00~17:00)
brand-event@kobunsha.com

撮影/中田陽子 スタイリスト/朝倉 豊〈TOOLS〉 ヘアメーク/CHISA〈ROI〉
取材・文/関城玲子 デザイン/瀬尾侑平

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